“タンス1本だけでもOK”って知ってた? 空き家片付け業者の意外な使い方

「空き家の片付け業者」と聞くと、多くの人は“家全体を丸ごと処分する存在”を思い浮かべるのではないでしょうか。ところが実際には、業者はタンス1本からでも依頼できるのです。この柔軟さをうまく活用することで、空き家や実家の片付けをスムーズに進められ、将来の負担を大幅に減らすことができます。

なぜ「タンス1本から」が重要なのか

1. 重い家具の処分は自力では危険

団塊世代が結婚当初に購入した婚礼タンス。木材がふんだんに使われており、とにかく重量があり、2階に置かれている場合は家族だけで動かすのはほぼ不可能です。無理に動かそうとすると腰を痛めたり、壁や床を傷つけるリスクも。だからこそ、プロに依頼する意味があります。

2. 親世代は“少しずつ片付け”でなければ受け入れにくい

実家の片付けをめぐっては、子世代と親世代の温度差が大きな壁になります。「家中を片付ける」と言えば、親から「勝手に捨てるな!」と強く反発されることも少なくありません。ところが「壊れた椅子1脚だけ」「庭に放置した自転車だけ」といったスモールスタートなら、親世代も受け入れやすいのです。

3. 自治体の粗大ごみ回収には限界がある

自治体の粗大ごみ回収は便利ですが、実際には次のような制約があります。

  • 回収日が月1回程度しかない
  • 指定場所まで自力で運ばなければならない
  • 家の中からの搬出は不可

特に2階からの運び出しやマンション住まいの場合、体力的にも危険を伴います。その点、業者なら部屋の中から直接搬出してくれ、日程も柔軟に調整できます。「平日の午前だけ」「親が留守の間に」など、生活に合わせて依頼できるのは大きなメリットです。

実際のケースと費用感

婚礼タンスが“生活の足かせ”に

ある家庭では、結婚当初に購入した婚礼タンスが2階の部屋を長年占拠し、掃除もしづらく、模様替えもできない状態が続いていました。新しい家具や子どもの机を入れられず、「ただそこにあるだけ」の存在に。業者に依頼し「タンス1本だけ」を搬出してもらうと、数人のスタッフが短時間で安全に運び出し、一気に部屋が使いやすくなったのです。

“ちょっとずつ”進めることで親も納得

別の家庭では、「家全体を片付けよう」としたら親が猛反対。しかし「壊れた食器棚だけ処分しよう」と小さく切り出したところ、あっさり了承。結果として片付けが進み、少しずつ空間が整理されていきました。このようにスモールスタートが心理的ハードルを下げるのです。

自治体回収ではできないことも業者なら可能

自治体の回収に出そうとしたが「回収日まで1カ月以上待つ必要がある」「2階から下ろせない」という問題に直面したケースもあります。最終的に業者を利用し、希望する日に家の中から直接搬出してもらい、短期間で片付けが完了しました。

気になる費用について

「タンス1本を運び出すのにいくらかかるの?」と疑問に思う人も多いでしょう。相場は1万〜2万円程度です。

「思ったより高いのでは?」と感じるかもしれません。しかし次のようなリスクを考えれば、むしろ合理的といえます。

  • 自力で運んで腰を痛め、通院する可能性
  • 友人や親戚に頼んでケガをさせてしまうリスク
  • 処分方法を調べる手間で休日が潰れるストレス

こうした負担を避けられるなら、安心料込みで決して高くはありません。実際に利用した人からは「もっと早く頼めばよかった」という声が多く聞かれます。

まとめ

空き家片付け業者は「家を丸ごと片付ける存在」ではなく、“タンス1本から”頼める柔軟なサービスです。

  • 重すぎる家具を安全に処分できる
  • 親世代の抵抗感を抑えながら“スモールスタート”できる
  • 自治体では難しい搬出や日程調整も可能

この3つのメリットを考えれば、早めに小さな一歩を踏み出すことが、将来の大きな安心につながります。

「まだ先のことだから」と先延ばしにすると、体力的にも精神的にも片付けはどんどん重荷になっていきます。だからこそ、“タンス1本から”という小さな片付けを、今のうちに始めてみてはいかがでしょうか。