実家が空き家になったら、放置より“貸す”が危ない?! 放置するよりリスクが高い、その理由とは

“実家”とは、かつて子どもの頃過ごした思い出の場所であり、家族で過ごした「思い出そのもの」ではないでしょうか。

そんな実家も、気づけば空き家──。
「もう誰も住んでないし、貸してしまえば家賃も入るし、いいじゃないか」と誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

その判断は、あとになって後悔する間違いとなるかもしれません。

まずは、ある想定ケースをご紹介しましょう。

東京都在住のKさん(72歳)。
実家は長野県の田舎にあり、10年前に母親が亡くなって以来、空き家状態でした。維持費もかかるし、もったいないなあ……ということで、不動産屋に頼んで「貸すこと」にしました。数ヶ月後、家賃5万円で契約成立。借主は地元で農業を営む50代男性。

ここまでは順調でした。しかし5年後、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。

Kさん「そろそろ実家を売ろうかと思って…退去してもらえるように言ってくれませんか」
不動産屋「それは…ちょっと難しいですね」

なんと、借主が「長期契約」の名の下に、家を“自分の城”状態にしていたのです。畑も作り替え、鶏小屋まで建設。家の原型が分からないほどになってしまいます。

結局、弁護士を立てて退去交渉するも、「借地借家法」という法律の壁に阻まれ、2年かけてやっと退去に至りました。費用はもちろんKさん持ちで約80万円もかかりました。

実は“貸す”のが
一番リスクが高い

空き家対策というと、多くの人がまず「売る」「貸す」「放置する」の三択を思い浮かべます。中でも「貸す」は、「維持費をまかなえる」「収入になる」と思いがちですが、現実はそう甘くありません。

【1】借地借家法という強固なバリア

この法律、実は「借りる側を圧倒的に保護する」作りになっているため、一度貸すと、貸主の意向だけで簡単には退去してもらえないんです。更新拒絶には正当な理由が必要で、「実家を売りたい」「戻りたい」は、正当理由にならないことがあります。

【2】想定外の“原状回復問題”

畳がカビ、庭が荒れ、壁紙がめくれ…でも借主いわく「経年劣化」。リフォーム代を請求できないこともしばしばあり、あなたが払うことになる可能性も大いにあります。

【3】滞納・夜逃げ・ご近所トラブル

実際、家賃滞納や夜逃げ、ご近所と揉めて修復不能…といった事例も珍しくありません。しかも高齢の大家が自ら対応するのは大変です。弁護士費用も手間もかかります。

「放置より貸す方がいい」は“昭和の常識”

高度成長期の「不動産神話」が頭をよぎるのもわかります。

ですが今の時代、不動産は“持つこと”自体がリスクです。とくに遠方に住んでいる場合、現地での管理や対応ができず、トラブルの火種が放置されがちです。

では、どうすればよいのか?

令和の空き家対策:
まずは“整理”から始めよう

大切なのは、「貸すかどうか」の前に、空き家の状態を整えること

  • 物がぎっしり詰まったまま → 人に貸せない
  • 雨漏り、シロアリ → 借主が見つからない
  • 相続人が未確定 → トラブルの元

まずは、「家の中身を見える化」して、状態を把握し整えましょう。これを業者に依頼すれば、写真つきの報告書ももらえて自分が現地に行かなくても判断できます。

整理から始めて、次の選択肢が見えたAさんの例

上記を踏まえて、「家の中身を見える化」したケースを見てみましょう。

千葉県のAさん(75歳)は、静岡の実家が空き家になりました。遠くてなかなか行けず、3年放置してしまいます。

「何が入ってたか覚えてないけど、とにかく捨ててくれ」と依頼した整理業者が、後日「価値ある古道具があるかもしれないので査定しませんか?」と提案されました。結果、骨董屋が引き取り、6万円ゲット。

その後、状態を整えてから地元の不動産屋と相談して「売る」方向になりました。手元に現金が入り、毎月の固定資産税もゼロに。

空き家問題、最初の一手が“未来”を決める

貸すのも売るのも、まずは「見える化」と「整理」が先です。

「実家に何があるか、わからない」「古いから誰も借りないかも」という不安があるなら、まずはプロに相談しましょう。

遠方に住んでいても、対応してくれる業者はあります。
信頼できる空き家整理サービスを使えば、「よくわからないけど安心できた」という声も多く聞かれています。

 現地に行けない親族とも写真付きで共有できる仕組みも整っています。

空き家は“資産”にも
“負債”にもなる

皆さまが長い人生で築いてきた大切な「家」は、“資産”にもなれば”負債”にもなります。

まずは「家の中身を見える化」し、建物全体・家具などの持ち物を整理をしましょう。

それが「面倒な問題」にならないよう、そして「次世代に迷惑をかけない」ためにも必要なことです。


「とりあえず貸す」はやめて、「とりあえず整理する」にシフトしましょう。