
結論から言えば、長期的に見ると“管理サービス月5,000円”を利用した方が、結果的に安くなるケースが多いです。
一見「自分でやった方がタダで済む」と思われがちですが、実際には交通費や修繕費、時間のロスなどを含めると、意外にも自力管理の方が高くつくリスクがあります。
では、なぜそうなるのか。実際の数字を交えながら見ていきましょう。
空き家の管理には、表から見えない「隠れコスト」が存在します。
代表的なのが、以下の3つです。
- 移動コスト(交通費・ガソリン代)
- 修繕・清掃などのメンテナンス費用
- 自分の時間・労力という“見えないコスト”
一つずつ見ていきましょう。
①移動コスト
実家が遠方にある場合、月1回でも往復交通費がかかります。
たとえば、東京から地方の実家まで片道2時間、往復ガソリン代+高速代で約8,000円〜1万円。
電車や新幹線を利用する場合は1回1〜2万円に上ることも。
年12回行けば、年間12万〜20万円はあっという間に消えていきます。
②修繕・清掃コスト
自分で管理していても、放置期間が長ければ草木の伸び、雨漏り、害虫発生などのトラブルが起こります。
特に屋根や外壁、雨どいの劣化は見落とされがちで、気づいたときには修繕費が数十万円単位に膨らむケースも。
一方、管理サービスでは定期的に点検・通風・清掃を行うため、大きな損傷を防げるというメリットがあります。
つまり、「小まめな管理=将来の高額修繕を防ぐ保険」になるのです。
③時間と労力
空き家管理は思った以上に時間を取られます。
片道2時間の移動+掃除・換気・草刈りなどをすれば、1日仕事。
「月1日くらいなら」と思っていても、年間で12日=約2週間分の休日が消えます。
その間の疲労やストレス、家族との時間の減少も無視できません。
それでは、実際にシミュレーションしてみましょう。
ケース①:自力管理の場合
- 実家:片道2時間(車利用)
- 月1回訪問
- 作業内容:換気・掃除・草刈りなど
- 修繕は不定期に発生
項目 | 費用(年間) | 備考 |
ガソリン・高速代 | 約10,000円×12ヶ月=12万円 | 都度負担 |
掃除・草刈り道具代 | 5,000円 | 年1回購入 |
修繕(軽微) | 2万円 | 壁の補修・網戸交換など |
修繕(突発) | 10万円 | 雨漏り・外壁修理など |
合計 | 約24万円/年 | 実費+手間含まず |
さらに、月1日かけての作業時間(約8時間×12ヶ月=96時間)。
時給1,000円換算でも、9.6万円分の労力が発生しています。
つまり実質的には、年間33万円近い“見えない出費”です。
ケース②:管理サービス(月5,000円)の場合
- サービス内容:月1回訪問(通風・清掃・草刈り・ポスト確認・写真報告)
- 修繕は異常発見時のみ連絡・見積り
- 現地訪問の必要なし
項目 | 費用(年間) | 備考 |
管理サービス費 | 5,000円×12ヶ月=6万円 | 定期訪問含む |
修繕(軽微) | 2万円 | 必要時のみ |
修繕(突発) | 3万円 | 早期発見により軽減 |
合計 | 約11万円/年 |
結果として、自力管理より年間12万円以上の節約になる計算です。
また、修繕が早期に対応できることで、大きな損害を防ぐ“安心感”も手に入ります。
さらに近年は、自治体からの「空き家適正管理条例」により、
「倒壊や景観を損なう空き家」には勧告・罰則・固定資産税の軽減措置取り消しといったリスクが発生します。
つまり、“放置しない仕組み”を持つことがリスク回避につながるのです。
管理サービスの月5,000円は、単なる支出ではなく、
- 資産価値を守る
- 修繕費を抑える
- 近隣トラブルを防ぐ
という“保険料”のような役割を果たしています。
実際に管理サービスを利用している方の例を見てみましょう。
「最初はもったいないと思ったけど、去年の大雨で屋根の一部が壊れたとき、管理会社がすぐに連絡をくれたおかげで修理費が3万円で済みました。もし放置してたら10万は超えていたと思います。」(70代・女性)
「月5,000円で、現地に行かなくても写真付きで報告が届く。今では“見守り代”だと思って安心しています。」(60代・男性)
こうした声に共通するのは、“費用以上の安心感”を得ているという点です。
「管理サービス月5,000円」は、単純なコスト比較ではなく、
“将来の修繕リスク・時間・労力を買い戻す”投資です。
自力管理は一見安く見えても、
- 年間の交通費や修繕費で10万円以上の出費
- 大雨や地震後の確認不足で数十万円の修繕リスク
- 家族や自分の時間を奪うストレス
といった「見えない負担」を抱えています。
一方、月5,000円の管理サービスなら、
- 年6万円で専門家が定期巡回
- 写真報告で遠隔でも安心
- 異常を早期発見して大きな出費を防ぐ
という“守りながら節約できる仕組み”を手に入れられるのです。
まとめ
空き家の管理は「今の負担」よりも「将来の損」を減らす視点が大切です。
短期的には“自力のほうが安い”ように見えても、
長期で見れば、管理サービスのほうが結果的に安く・安心で・合理的です。
もしあなたが「まだ自分で管理できるから大丈夫」と思っているなら、
ぜひ一度、1年単位でのシミュレーションをしてみてください。
その結果こそが、あなたの空き家と資産を守る最初の一歩になるはずです。