
「空き家特例を使うためには、売却前に必ず解体しなければならない」
そう思い込んで、解体費用150万円を払う覚悟をしていた私ですが、結果的に解体せずに特例を使うことができました。
その理由は、不動産屋に言われて初めて気づいた**“大きな盲点”**にありました。
なぜ多くの人が解体が必要だと誤解するのか
相続した空き家を売却する際、多くの人が利用を検討するのが
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」、いわゆる空き家特例です。
この特例には、
- 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
- 相続開始直前まで被相続人が一人で住んでいたこと
- 相続後、事業や賃貸、居住に使っていないこと
など、いくつかの要件があります。
その中で特に強調されがちなのが
「耐震基準を満たしていない場合は、解体または耐震改修が必要」
という点です。
税務署の解説やネット記事でも
「古い家=解体が必要」
と書かれていることが多く、私自身も疑うことなく
「150万円払ってでも解体するしかない」
と思い込んでいました。
不動産屋に言われて気づいた“盲点”
相続した実家は、築40年以上の木造住宅。
当然、現行の耐震基準は満たしていません。
最初は
「解体して更地にしてから売却 → 特例適用」
という流れしか頭にありませんでした。
そんな中、売却相談で訪れた不動産屋で、こんな一言を言われました。
「これ、売却時点で更地になっていればいいんですよ。
先に解体する必要はないです」
正直、最初は意味がわかりませんでした。
詳しく話を聞くと、空き家特例では
“譲渡(売却)する時点で、建物がない状態”
または
“耐震基準を満たしている状態”
であればよく、
「売主が必ず解体費用を負担しなければならない」
とはどこにも書かれていないのです。
つまり、
- 建物付きのまま売り出す
- 契約条件に「買主が解体する」ことを盛り込む
- 引き渡し時には更地になっている
この形でも、空き家特例の要件を満たす可能性があるということでした。
これは完全に盲点でした。
さらに盲点だったポイント
もう一つ見落としていたのが、
「解体費用は誰が払うか」よりも「譲渡の形」が重要だという点です。
例えば、
- 売買契約書で
「建物は売主の負担で解体する」
「建物は買主の負担で解体する」
どちらであっても、
最終的に建物が除去された状態で引き渡されれば、特例適用の余地がある
ケースがあります。
私は
「特例を使う=自分で先に解体」
という思い込みで、
150万円を“必要経費”として諦めかけていました。
しかし実際には、
解体費用を価格交渉に織り込む
買主負担に切り替える
といった選択肢もあったのです。
誰でも使えるわけではない
もちろん、この方法はすべてのケースで使えるわけではありません。
例えば、
- 売却期限(相続から3年後の12月31日)を過ぎている
- 相続後に一時的でも賃貸や居住に使ってしまった
- 契約内容が要件を満たさない
こうした場合は、特例が使えない可能性があります。
また、
税理士の最終確認は必須です。
不動産屋の知識は実務的で非常に役立ちますが、
特例適用の可否を判断するのは税務の専門家です。
まとめ
今回の経験で強く感じたのは、
「思い込みでお金を使うのが一番もったいない」ということです。
- 空き家特例=必ず先に解体、ではない
- 解体150万円は回避できる可能性がある
- 売却の形次第で選択肢は大きく変わる
もし相続した実家の売却で
「解体しないと特例は無理だろう」
と考えているなら、
一度、不動産屋と税理士の両方に相談してみてください。
私のように、
150万円払う覚悟をしていたのに、払わずに済む“盲点”
が見つかるかもしれません。