
実家の鍵がなくても「特例が使える可能性はある」。ただし条件付き
まず結論からお伝えします。
実家の鍵が手元になくても、一定の条件を満たせば「特例」が使える可能性はあります。
ただし、
「鍵がない=自動的にアウト」でもなければ、
「鍵がない=絶対にOK」でもありません。
ポイントは、
“その実家を実質的に管理できているかどうか”
ここを税務署がどう判断するか、です。
そしてこの判断、
ネット検索だけではほぼ答えが出ません。
だから私は(という設定のもと)、
実際に税務署の窓口まで行って確認することにしました。
なぜ「鍵がない問題」がここまで重要なのか?
理由はシンプルです。
実家の売却や相続でよく使われる、
- 空き家の3,000万円特別控除
- 相続した空き家の特例
これらの制度は、
「誰も住んでいない家」かつ
「適切に管理されていた家」
であることが前提になっているからです。
ここで問題になるのが、鍵。
税務署の視点ではこう考えます。
「鍵がない=中に入れない
→管理できていない
→放置されていた可能性が高い」
つまり、
鍵がないこと自体が問題なのではなく、
“管理放棄していたのでは?”と疑われること
これが最大のリスクなんです。
父が亡くなり、実家の鍵が見つからない
ここで、よくある想定ケースを一つ。
都内在住・50代男性Aさん
地方に住んでいた父が亡くなり、実家を相続。
いざ売却しようとしたところ、
実家の鍵がどこにも見当たらない。
- 仏壇の引き出しにもない
- 金庫にもない
- 親戚に聞いても分からない
業者からはこう言われます。
「鍵がないと、
特例が使えない可能性がありますよ」
焦ったAさん、
ネットで調べるも情報はバラバラ。
そこで意を決して、
管轄の税務署に直接確認しに行くことにしました。
税務署で実際に聞いた「想定される回答」
税務署の窓口で、Aさんはこう質問します。
「相続した実家の鍵が見つからないのですが、空き家の特例は使えませんか?」
すると、返ってきた答えは意外なものでした。
「鍵がないこと自体だけで、特例が使えないとは判断しません」
「重要なのは、その家を“管理していたと説明できるか”です」
Aさんはさらに突っ込みます。
「管理とは、具体的に何を指しますか?」
- 定期的に敷地を確認していた
- 草刈りや簡単な清掃をしていた
- 郵便物を放置していなかった
- 売却に向けて行動していた
「こうした状況を、書類や説明で示せれば、特例が認められる可能性はあります」
ここでAさん、少しホッとします。
ただし…「鍵がないまま」は正直おすすめしない理由
とはいえ、
「じゃあ鍵はなくても大丈夫なんだ!」
と安心するのは早すぎます。
なぜなら、
税務署は最終的に“総合判断”をするから。
鍵がない状態だと、
どうしても不利になる場面があります。
- 建物内部の確認ができない
- 修繕・管理の説明が弱くなる
- 「本当に空き家?」と疑われやすい
つまり、
使える可能性はあるけれど、
リスクは確実に上がるということです。
鍵がない場合にやるべきこと
ここからは、
同じ状況になったときの現実的な対策です。
① 鍵の作成・交換を検討する
費用は数万円かかりますが、
後の税務リスクを考えれば安い投資です。
② 管理状況を説明できる資料を残す
- 写真(外観・敷地)
- 草刈り・清掃の記録
- 不動産会社とのやり取り
これらは、「管理していた証拠」として役立ちます。
③ 早めに専門家へ相談する
税理士・不動産会社・空き家整理の専門家など、
第三者の関与があると説明力が一気に上がります。
鍵がなくても可能性はある。でも、備えた人が一番得をする
最後に、もう一度まとめます。
- 実家の鍵がなくても、特例が使える可能性はある
- ただし「管理していた説明」が必須
- 鍵がないまま進めるのはリスクが高い
- 事前準備と相談で、結果は大きく変わる
実家の問題って、
ある日突然、容赦なく降ってきます。
そのときに、
「知らなかった…」で数百万円損するか、
「調べておいてよかった」と胸をなでおろすか。
分かれ道は、
今日この情報を知ったかどうか
それだけかもしれません。
もし今、
- 実家の鍵が見つからない
- 相続や売却を考え始めた
- 何から手をつければいいか分からない
そんな状態なら、一人で抱え込まず、早めに動くことをおすすめします。
未来の自分が、きっと感謝するはずです。