
固定資産税をきちんと払っていても、空き家特例は普通に外されます。
しかも、その原因の多くは「悪気のない、よくある行動」です。
「税金を払っている=行政的に問題ない」
そう思っている人ほど、ある日突然“税額が跳ね上がる通知”を受け取ることになります。
なぜ、こんなことが起きるのか。
理由はシンプルで、固定資産税の支払いと空き家特例は、まったくの別物だからです。
空き家特例(住宅用地の特例)は、
・人が住める状態であること
・住宅としての実態があること
・周囲に悪影響を与えていないこと
これらを前提にした「優遇措置」です。
一方、固定資産税は「所有しているだけで発生する税金」。
つまり、固定資産税を払っている=空き家特例が守られている
ではありません。
行政がチェックするのは「支払い状況」ではなく、
その家が“住宅として成立しているかどうか”です。
ここからは、現場で非常によくある
「空き家特例が外れやすい、やりがち行動」を紹介します。
※すべて想定されるケースです。
やりがち行動①
「誰も住んでいないけど、家は残してある」
親が亡くなり、実家が空き家に。
家具もそのまま、仏壇もある。
「解体していないし、家はあるから大丈夫」
多くの人が、ここで思考停止します。
しかし、行政の判断基準はもっとシビアです。
・雨漏りしていないか
・窓が割れていないか
・雑草が伸び放題になっていないか
“住めない家”は、住宅とは見なされません。
結果、
管理不全空き家と判断
→ 特例解除
→ 固定資産税が数倍
という流れになります。
やりがち行動②
「月1回は行ってるから、管理してるつもり」
「月1回、換気してます」
「ポストも整理してます」
これは本当によく聞く言葉です。
ただし、行政が見るのは“気持ち”ではなく“実態”。
・電気や水道を使っていない
・生活の痕跡がない
・居住実態が確認できない
この場合、
“管理している空き家”ではなく、
“放置されている空き家”と判断される可能性があります。
やりがち行動③
「危ないから、先に解体しよう」
一見、もっとも合理的な判断に見えます。
・古い
・倒壊が心配
・近所に迷惑をかけたくない
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
住宅を解体した瞬間、空き家特例は自動的に消滅。
翌年から、
・固定資産税:最大6倍
・都市計画税:最大3倍
「安全のため」の行動が、
「税負担を激増させる結果」になるケースです。
やりがち行動④
「そのうち売るつもりだから放置」
これも非常に多いです。
・忙しい
・気持ちの整理がつかない
・相続人同士で話がまとまらない
結果、何年も放置。
空き家特例は、
「検討中」や「そのうち」を考慮してくれません。
時間が経つほど、
・建物は傷み
・行政チェックの対象になり
・特例解除のリスクが上がる
という負のループに入ります。
もう一度、結論です。
固定資産税を払っていても、空き家特例は守られません。
特例が外れる人の多くは、
・ルールを知らなかった
・ちゃんとしているつもりだった
・悪意は一切なかった
それでも、結果は同じです。
大切なのは、
・この家は「住宅」として見られる状態か
・第三者が見て「人が住めそう」と思うか
・今の判断が、数年後の税金にどう影響するか
を、早めに整理すること。
完璧な答えを出す必要はありません。
ただ、何も知らないまま放置することだけは、一番リスクが高い。
「固定資産税を払っているから大丈夫」
その安心感こそが、
空き家特例が飛ぶ一番の引き金かもしれません。
本記事の内容は、一般的な考え方や想定されるケースをもとにしたものです。
空き家特例の判断は、自治体ごとの運用や建物の現況・管理状況によって異なります。心配な場合は、所在地の市区町村(空き家担当課・資産税担当課)に、現在の状態で特例が外れる可能性があるかを直接確認すると安心です。